この記事は2015年2月に旧ブログ掲載の内容から更新してあります。
自宅無線LAN が繋がらず急ぎのメールが見られなくて困ったことがあったので、いまさらながら F-09C(docomo の AP機能付きガラケー)のアクセスポイント機能を使うことにしました。
昔一度チャレンジしたのですが当時はタブレットとの接続は不要(持ってなかった)で、しかし PC との接続設定が分かりづらく、必要性も少なかったため放り出していました…。
機器はF-09C、ノートPC(Windows7)、Nexus7(2012)、Kindle Fire HDX7、FOMA-USBケーブルなど。
目次
今回は PC との有線接続からモバイル端末との Wi-Fi 接続まで全部行っています。一気に全部やってしまったので確認できなかったのですが、PC を含め Wi-Fi 接続のみであればケーブル購入・ドライバのインストール・設定ソフトは使わなくて済むのではないかと思います。
ケーブルを持っていない場合は買う前にmopera U 加入 → 設定確認 → F-09C への設定 → Wi-Fi 接続を先に試してみてください。
mopera U に加入
アクセスポイント機能付き FOMA 端末でテザリングするには mopera U などプロバイダの契約が必要です。mopera U なら My docomo からも手続きできすぐに使いはじめることが出来ます。
その他対応しているプロバイダは以下リンク参照。
FOMA 対応プロバイダ|ドコモのデータ通信|NTTドコモ
以下、mopera U の場合です。
スーパーライトプランの 128kbps 縛りに耐えられるか分からなかったのでひとまずライトプランに加入しました。
料金は利用月だけの請求で、使っていない月の請求はありません。また、私は iモードも使っているので ISP セット割が適用されます。iモード使用料と合わせて300円になるので実質 mopera U は0円です。
プラン | 対象機種 | 月額 | 特徴 |
---|---|---|---|
スーパーライトプラン | FOMA | 150円 | 通信速度128K縛り |
ライトプラン | FOMA | 300円 | 7.2M通信もしたい場合はこっち |
スタンダードプラン | FOMA/Xi | 500円 | メールアカウント付き |
シンプルプラン | Xi | 200円 | データ通信プランが必要/Xiの超高速データ通信 |
パケット通信プランの確認
今どきは誰でも定額プランに加入していると思いますが、テザリングした場合は料金体系が変わるので確認しましょう。私が加入しているパケホーダイダブルの場合料金体系が3段階(上限4,200円→5,700円→7,800円)になります。
パケ・ホーダイダブルとは|料金・割引|NTTドコモ より(2015/02/23現在)
定額料(=無料通信分) | 372円 | ||
---|---|---|---|
上限額 | iモード通信 | 4,200円 | |
iモードフルブラウザ通信 | 5,700円 | ||
スマートフォン定額通信 | |||
パソコンなどの外部機器を接続した通信 | 128K通信 | ||
上記以外 | 7,800円 | ||
通信料 | 5,700円まで | 0.08円 | |
5,700円から | 0.02円 |
F-09C と PC を接続して設定
Wi-Fi 接続だけなら有線接続設定は不要じゃないかと思います。ケーブルをお持ちでない場合は購入の前に 3-2. mopera U の ID情報を確認 → 3-3. mopera U アクセスポイントの確認 → 4. 以降で試してみてください。
有線でも7.2Mbps なので、無線子機が内蔵されたPC では有線にする必要性は少ないです。
今回は有線接続の手順についても含めて作業を行ったため掲載しておきます。
- F-09C に『通信設定ファイル(ドライバ)』をインスト―ル【要ケーブル】
- mopera U のID情報を確認
- mopera U アクセスポイントを確認
- PC に『ドコモ コネクションマネージャ』をインストール・設定
ドライバのインストール
F-09C にドライバをインストールします。この操作は PC との有線接続通用なので FOMA-USB ケーブルが必要です。
ドライバは docomo のサイトからダウンロードします。F-09Cのダウンロードページはこちら
F-09C と PC をケーブルで接続する前 にドライバのプログラム(”f-09c_driver.exe”)を PC 上で実行 → F-09C の USB接続モードを通信モードに変更 → ケーブル接続 → インストール続行の手順です。
< F-09C で USB 接続を通信モードにするには>
画面上部をタッチして下りてくるメニュー → [USB接続] → [設定] → [通信モード] を選択するか、[MENU] → [8(本体設定)] → [8(外部接続)] → [1(USBモード)] で [1(通信モード)] を選択します。
mopera U の ID情報を確認
- 加入時の受信メールからリンク先を開く
- ネットワーク暗証番号(4桁)を入力して [同意する] を選択
- [基本ユーザ情報] からユーザID、パスワードを確認
- 自分が契約した [ネットワーク設定] を確認
mopera U に加入すると加入時に指定したアドレスにメールが送られてきます。設定確認先のリンクがついてきますので開きます。リンク先は初期設定画面です。スクロールしていくとネットワーク暗証番号(4桁)の入力フォームがあるので入力して [同意する] を選択します。
[基本ユーザ情報] からユーザID、パスワードを確認します。そのままでも構いませんが任意の ID に変更可能なので必要なら記憶しやすいものに変えます。
mopera U アクセスポイントの確認
ユーザ名とパスワードを確認したページの更に下、[◎moprera U 各種設定情報(アクセスポイント等)はこちら] のリンクを開いて接続先を確認します。
F-09C では 128kbps 通信と 7.2Mbps 通信が出来ます。切り替えるには mopera U の接続先を変更します。
mopera U アクセスポイント
Xiデータ通信用アクセスポイント | mopera.net | FOMA7.2Mbps |
FOMAパケット通信専用アクセスポイント | *99***3# | 有線接続用(7.2Mbps) |
FOMAパケット定額データプランアクセスポイント | mopera.flat.foma.ne.jp | データ通信可能なSIMでないと繋がらない(はず。繋がったら青天井?) |
FOMA 128K通信専用アクセスポイント | mpr.ex-pkt.net | FOMA128k |
“Xiデータ通信用アクセスポイント”とありますが、FOMA7.2Mbpsも同じアクセスポイントですので、利用するのは 7.2Mbps 通信は “mopera.net” 128kbps通信は “mpr.ex-pkt.net” 有線接続は “*99***3#” です。
『ドコモ コネクションマネージャ』で通信設定
『ドコモ コネクションマネージャ』を docomo サイトからダウンロード・インストール、F-09C と PC をケーブルで繋いだまま起動します。
まず [簡単設定] を使います。細かいところはあとで [詳細設定] で修正できます。
[設定] – [設定ウィザード] – [簡単設定] – [自動] を選択します。
ケーブルで接続された F-09C が検出・表示されていますので選択して次へ
【設定方法】[自動で設定する]→(暫く待たされます)→ネットワーク暗証番号を入力して [同意する] → 次へ → mopera U の契約内容が表示されるので間違いないか確認 → [手動設定情報] を選択
[接続先設定] の [基本設定] [高速化の設定] [パケット通信の設定] を設定します。ここは『ドコモコネクションマネージャ』で有線接続した場合に料金を表示させるために使っているようですが、設定が合わないと次に進めないので自分のプランを入力し [次へ]
F-09C は FOMA HIGH-SPEED 対応なので [HIGH-SPEED対応FOMA] を選択
テスト用に通信先を [mopera U 128k] で選択(※画像は mopera U になっています)-[OK]
ドコモコネクションマネージャでの設定は終了。終了させてケーブルを抜きます。
F-09C の詳細設定
F-09C 側で接続先確認・編集
mopera U への接続先が間違っていないか確認します。ケーブル接続による設定を行わなかった場合(Wi-Fi のみの接続)はここで編集をして入力します。
アクセスポイント情報は [MENU]-[6]-[9]-[2]-[3(接続先(APN一覧)] で表示されます。
一度は中身を確認した方が良いです。料金変わってきますからね。
確認だけであればその設定を選択して [編集] → 接続先が希望のものか確認[編集] で内容をチェックしてテンキーのクリアボタンで元の画面に戻ります。
内容を変更したい場合はその設定を選択して [編集] → 接続先が希望のものか確認 → [ユーザID] と [パスワードを入力] → [確定] → [登録] → 元の画面に戻るので他に確認したいものがあれば繰り返し。
この時、ドコモコネクションマネージャで設定が済んでいればユーザIDとパスワードが入力されているはずです。ドコモコネクションマネージャを使わなかった場合はここで全ての情報を入力します。
確認・ID入力が済んだら利用したいアクセスポイントにチェックを入れて [登録] を選択して次に進みます。
アクセスポイントモード詳細設定
[MENU]-[6]-[9]-[2]-[6(無線設定)] で F-09C の APモードの設定をします。
設定項目 | 内容 | 設定例 |
---|---|---|
SSID | Wi-Fi 接続先の名前(半角英数/なんでもいい) | F09C_nomap |
ステルス/Any接続拒否 | ONにすると接続機器からWi-Fiを検索されない。つまりSSIDを知っている人しかアクセス出来ない。接続機器側では SSID を手動で指定する必要がある。 | ON |
認証方式 | 暗号化の種類を選択 接続機器が対応しているもののうち一番強いものを選択 | WPA/WPA2-PSK |
詳細設定(APN) | 暗号化の認証コード(パスワード) | ひみつ |
無線チャンネル | 一定の場所で使うのではないのでAutoが無難? | Auto |
AP省電力モード | 消費電力を抑えるために通信速度を落とすらしいので速さ重視&安定性重視ならOFF | ON(最近バッテリのもちが悪いので) |
機器未接続動作 | 機器が未接続のときの自動終了時間 | 15分後に終了 |
接続台数制限 | 接続したい台数を指定(4台まで) | 3台(PC/Nexus7/KindleHDX7) |
MACアドレス制限 | 接続したい機器を限定(要機器設定※) | 有効 |
※MACアドレスの指定は [外部機器登録一覧] から出来ます。なおMACアドレスについては設定したほうがセキュリティ的には良いですが、よく分からない場合は [無効] が無難です。設定を間違うと接続したい機器も接続できなくなります。
MAC アドレスの登録はまず [外部機器登録] – [機器名] に任意の名称を入力します。次に [MACアドレス] に接続したい機器のMACアドレスを入力 → [制限有効時の接続] は登録した機器を接続したいなら [有効]、接続させたいなら [無効] を選択。
SSID に “_nomap” が入っている理由は以下参照。
Google 位置情報サービスでのアクセス ポイントの設定 – マップ ヘルプ
Google 位置情報サービスでのアクセス ポイントの設定 – Nexus ヘルプ
高木浩光@自宅☆の日記 – Wi-FiのMACアドレスはもはや住所と考えるしかない
※記事投稿前に確認したところGoogleのヘルプ記載場所が変わっていました。
接続機器の Wi-Fi 設定
ステルスを OFF にしている場合は SSID を検索して接続できますが、ステルスを ON にしている場合は手動で SSID を追加する必要があります。
今回は Nexus7(2012)の手順を紹介します。
Nexus7 上部右側を下にスワイプ、Wi-Fi の設定を開き追加アイコン(+)を選択します。
F-09C の APモードで設定した SSID を入力します。
F-09C の APモードで設定したセキュリティ(認証方式)を選択します。パスワード欄が表示されるのでパスワードを入力します。
接続
Wi-Fi の場合
F-09C で APモードを実行します。
[MENU]-[6]-[9]-[2]-[1] で APモードを開始すると画面表示が変わるので『通信中』になるまで少し待ちます。『通信中』になったら機器を接続できますのでタブレットなど接続端末から F-09C で設定した接続先を選択します。
有線接続の場合
F-09C を [通信モード] に変更 → ケーブルで PC と接続 → PC側 で接続先を選択して [接続] です。
接続先の選択はタスクトレイにLAN接続用アイコンが表示されていればクリックして表示される [ダイヤルアップとVPN] の中にあります。ない場合は [ネットワークと共有センター] – [アダプターの設定の変更] から、アイコンに電話がデザインされているアイコンをクリック → 右クリックメニューから [接続] を選択します。
使用パケット量と料金の確認
使用開始直後は頻繁に使用パケット量と料金を確認していました。
128kで設定したりテストしたりしているだけでみるみる使用パケットが増えていき、あっという間に上限に達しました。テザリング・ダイヤルアップを使ったら即上限くらいに思っておいたほうが良さそうです。
使用パケット数は My docomo もしくは iMENU(携帯の [ i ] ボタン押下で表示)にある [料金の確認] から確認できます。
画像はMy docomo の料金確認画面です。パケット量がだいぶ多くなっているのがわかります。7.2Mのチェックもしたのでパケット量も上限の7,800円です。
実行速度
128k 通信では、下り128k上り64kなりの速度は十分出ています。Nexus7 で計ったら受信は平均110k、送信は58k出てました。
7.2M では理論値ほどの速度は出ていません。休日の日中で下り1.3~3.8Mbps、上り190~300k 位でした。まあこんなもんかな。
その他
以下、151のオペレータさんに聞きました。
- パケット数が一定量を超えた場合に速度が落ちるということは基本的にはない(場合によってはある)
- 3日間のパケット使用量が3,000,000パケットを超えると 7.2M の場合は速度が落ちる可能性がなくもない
- 接続と切断を頻繁に繰り返すなどしていると通信途中で接続が切れる場合がある(再接続で復旧する)
元々 128k なら速度低下(128k に落ちる)しようがないですね。7.2M の方は速度低下の可能性はなくもないみたいです。「ないとは言えない」的な物言いでしたのでそこら辺ははっきりしませんでした。
まとめと感想
- 128kbps では相応の速度が出ている
- 7.2Mbps は時間帯によって差が出る
- 電池消費は多いが充電しながらでも通信できる
- PC に Wi-Fi 接続では使いものにならない
- PC に有線接続では非常に遅く正直厳しい
- モバイルに Wi-Fi 7.2Mbps ならストリーミング動画の視聴も可能
PC でブラウザを使用してのネット閲覧はタイムアウトしてムリでした。
タブレットなら 128k でも Wi-Fi で普通に接続でき、モバイル向けに最適化されたページなら我慢できるレベルだと感じました。緊急用なら十分です。
無理かなと思ったんですが、7.2M ならストリーミング配信動画(Hulu と dTV で確認)の視聴も可能でした。しかしパケットを喰うので制限に引っかかって 128k に落ちる可能性がありますね。128kでストリーミングは難しいようなので万一視聴中に速度が落とされちゃうとそこから見られなくなってしまいます。私は動画は dTV のダウンロードデータで視聴しますしストリーミングには積極的には使わないと思います。
参考記事
dTV の動画は Android、iOS 端末にダウンロードすることが出来ます。今回は Android の手順と画面で説明していますが iOS でも概ね手順は同じです。ただし iOS ではブラウザからダウンロードさせる機能は使えないようです。